成功者となってしまった彼は言う。
『行きたい島を見つけたら、どうにかして辿り着くよう努力するだけ』
私とは順序が逆だな、と思った。
私は先に水面に漂う術を決めてしまう。そしてその術で行き着く島を探している日々だ。
なら今、流れつこうとしている島は?
そこに上がるには、全てを捨て身軽にする必要があるのだ。
何となく行き着いたその島に、骨を埋める覚悟はあるのか?その価値は?
予想外れの曇り空で、隠れてしまった月を眺めながら。その島からもまた、同じように月を眺めながている一つもがいる。
そんな短文、呟くだけで充分なのに。